研究概要 |
歳をとった(10^7-10^9年程度)星のまわりでは,ミクロンサイズの微小粒子(デブリ)の円盤(デブリ円盤)が観測されている。このように星をとった星の周りでは,惑星がすでに形成されている可能性は高い。これらのデブリ円盤では、中心星に近い高温のダストが存在していないことを赤外線の観測から予測されている。実際に高分解能の直接観測からも円盤には穴があいていることが確認されている。本研究では内縁に注目し、内縁の形状や温度により内縁ができた原因が分類できることを示した。 デブリ円盤で観測されるデブリは低温のため主成分は氷である。氷の昇華によりどのような内縁ができるかを調べた。その結果、温度100K程度の場所で内縁ができ、内縁付近にはリングができる。このような内縁形成の原因は、惑星と高頻度の衝突が考えられるが、これらとは温度や構造が違うため、それぞれの起源を区別できる。デブリ円盤の内縁の温度は現在推測されており、昇華による内縁を持つ候補が見つかった。観測の進歩により,太陽系外の惑星系において昇華リングの観測が可能になり,この昇華によるリングの有無が太陽系外の惑星系での惑星の存在を示すだろう、そして、デブリ円盤の惑星の存在もあぶり出すだろう。 以上の内容を、氷昇華のシミュレーションとリング形成のメカニズムについて、それぞれ、惑星科学雑誌Icarusに投稿した。前者は受理され、印刷中である。後者は、査読中である。
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