研究課題/領域番号 |
18740181
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福田 昭 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教務補佐員 (70360633)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 量子ホール効果 / 2次元電子系 / 2層系 / マイクロ波 / ソリトン格子 / 磁気抵抗 / ホール抵抗 / 傾角反強磁性相 / 分数量子ホール効果 / ヒステリシス / 量子輸送現象 / 異方性 |
研究概要 |
京都大学低温物質科学研究センターに建設中であった高磁場発生用超伝導磁石を含む希釈冷凍機が稼動状態に入ったので、2層系量子ホール効果の量子輸送現象測定を継続して行った。2層系量子ホール試料のデバイス化は、NTT物性基礎研究所において、行った。さらに、2層の電子面のそれぞれに独立に電気的なコンタクトを取れるゲート電極の配置(2層独立コンタクト)を持つ新しい試料の開発にも継続して取り組んだ。試料のテスト及び評価は、京都大学において、ヘリウム4クライオスタットを用いて行った。試料の特性を量子輸送現象測定により詳しく調べ、低温における移動度、各層の電子密度のフロントゲート電圧・バックゲート電圧依存性、磁場中でのシュブニコフ・ド・ハース振動を用いて両層間のトンネリングエネルギーを決定した。その後、2層系ランダウ占有率ν=1量子ホール状態及びν=2量子ホール状態それぞれについて、総電子密度及び電子密度差をさまざまに変化させ、新しい量子相の探索を行った。この時、ν=1におけるソリトン格子相やν=2における傾角反強磁性相についてもさらに詳しい測定を行った。試料は超低温で動作可能な試料回転装置に取り付けられているので、試料を磁場中で傾けることにより試料の2次元電子面に平行な横磁場を加え、新しい量子ホール状態を探索する。マイクロ波を導入可能な、ベアリング式回転クライオスタットを立ち上げ、稼動状態に入った。上記のような新しい量子相を、マイクロ波を用いて探索を開始した。また、2次元面内での横磁場方向に対して試料を回転させることにより、測定電流方向に対する異方性を調べることができ、新しい量子ホール状態の出現や、その出現機構を解明した。また、実験データを理論的な枠組みと比較・検討するため、東北大学の江澤らと研究打合せを行う。
|