研究課題/領域番号 |
18740182
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 隆典 京都大学, 次世代開拓研究ユニット, 助教 (30402762)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | テラヘルツ / 時間領域分光 / 全反射減衰法 / 高温超伝導体 / ジョセフソンプラズマ / 表面電磁波 |
研究概要 |
本研究の目的は、テラヘルツ時間領域全反射分光法を用いてエバネッセント波を発生させジョセフソンプラズマを選択的に励起し、高温超伝導体を発振源とするより強力で広帯域なテラヘルツ光源の開発を行うことである。昨年度に作製した低温測定テラヘルツ時間領域全反射分光法を用いて、目的達成のため二つのアプローチで研究を行った。一つ目は、層状酸化物高温超伝導体のジョセフソンプラズマの表面モードを直接観測し、得られた知見から発振源となる現象を探ることである。試料表面上にジョセフソンプラズマを発生させるために、c軸が試料面に垂直に配向した試料を作製し、温度、励起光偏光を変化させて測定した。その結果、不明瞭であるが表面モードに起因と考えられる信号が見られた。しかし、位相情報等の詳細な情報は未解決のままであり、テラヘルツ発振源となる有力な情報を得るに至らなかった。そこで、二つ目のアプローチとして、構造の類似性から一次元周期構造体をメタルに作製し、その表面モードのテラヘルツ領域での現象を考察した。サブミリメートルの構造を有する一次元周期構造体の表面モードは、周期を変化させることで共鳴周波数の制御、厚さとマテリアルを変えることで、共鳴信号のQ値を制御できることを見出した。これは相互インダクタンスを介した表面モードが起因していると考えられる。この共鳴ディップは、外部雰囲気の屈折率変化によって敏感に反応し、高感度センシング技術につながる現象である。また、表面モードの共鳴が起こっているところでは、電場増強が見込まれ、この電場を利用し内部の共鳴振動を外部に引き出すと、テラヘルツ周波数電磁波の高強度発信源になると見込まれる。
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