研究課題/領域番号 |
18740200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
葛西 伸哉 京都大学, 化学研究所, 助教 (20378855)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | スピントロニクス / 磁気渦構造 / 微小強磁性体 / 電流誘起共鳴現象 / スピントランスファー効果 |
研究概要 |
本研究課題は、スピン偏極電流による磁気渦構造のダイナミクスを励起・検出することによって、磁区構造への電流効果について詳細な知見を得ることを目的としたものである。前年度の研究によって、磁気渦構造の固有モードが交流電流によって共鳴的に励起できること、および吹き出し磁化の極性反転が制御できることを明らかにした。ただし、これらの測定・検出手法は基本的に時間分解能を持っておらず、実時間・実空間分解測定による同定が不可欠である。上記の問題点を解決するために、本年度は磁気円二色性を用いた透過型X線顕微鏡(Magnetic Transmission X-ray Microscope: M-TXM)を用いた磁気渦ダイナミクスの実時間・実空間分解測定を試みた。本測定手法の特徴は、高い時間分解能(<70ps)および空間分解能(<25nm)が両立された測定手法であるという点である。 以下、本年度の研究成果について列挙する。 (1)M-TXMを用いて交流電流による磁気渦ダイナミクスの同定に成功した。 (2)解析計算・およびマイクロマグネティクスシミュレーションとの比較から、電流のスピン偏極度を評価した。その結果、電流のスピン偏極度はバルクにおける電流のスピン偏極度と同程度であることを確認した。 これらの知見は、スピントランスファー効果による磁化制御が確かに可能であることと同時に、その効率が非常に高いことを示している。今後、電流制御による磁壁デバイスを設計・実現する上で重要な知見となるものと期待される。
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