研究課題/領域番号 |
18740208
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
奥田 哲治 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20347082)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | デラフォサイト / 熱電変換 / 反強磁性三角格子 / フラストレーション / 層状酸化物 / デラフォサイト型銅酸化物 / 熱電特性 / 三角格子 |
研究概要 |
本課題では、デラフォサイト型銅酸化物CuAO_2(A:三価の陽イオン)における熱電特性の調査と新規物性探索を目的とした。 CuAO_2は、Cu層とAO_6八面体が辺共有で形成するAO_2面が交互に積層した層状構造をしている。全ての二次元面は三角格子を示し、AイオンがS=3/2のCr^<3+>イオンの場合には擬二次元ハイゼンベルグ反強磁性三角格子を形成する。この場合には、三角格子の幾何学的効果に由来するCrサイトの局在スピン(S=3/2)のフラストレーションを解消するために、低温においてac-120°スピン構造を形成することで反強磁性転移することが報告されている。本課題では主に、この様なCuCrO_2の熱電特性や磁気特性に対して、CrサイトのMg置換によるホールドーピングがどの様に影響を及ぼすかを詳細に調べた。その結果、CrサイトにおけるMg置換はac-120°スピン構造にスピン欠陥を生じさせるにも関わらず、磁気秩序を促進する役割を果たすことを見出した。比熱測定や他の元素置換効果から、この特異な磁気特性は、遍歴ホールとCrサイト局在スピン間の相互相関によるスピン揺らぎの増強による対称性の破れが原因となっている可能性を示した。また、CuサイトのAg置換により、磁気状態の次元性が三次元的なものから二次元的なものへとクロスオーバーすることも見出した。これらの結果は、本系がS=3/2の二次元ハイゼンベルグ反強磁性三角格子へのホールドーピング効果を研究するためのモデルケースとなる可能性を示唆しており大変興味深い。
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