研究課題/領域番号 |
18740215
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
徳永 陽 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (00354902)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / ネプツニウム酸化物 / 八極子秩序 / 多極子自由度 / プルトニウム酸化物 / スピン-格子緩和 |
研究概要 |
ネプツニウム酸化物NpO_2の低温秩序相は、転移点において比熱に大きな跳びが観測されるにも関わらず、明確な磁気双極子モーメントが存在しないという異常な物性を示す。そのためf電子系特有の磁気八極子による全く新しい秩序の可能性が指摘されていた。本研究は微視的プローブであるNMRの特徴を生かし、磁気八極子秩序という新しい物理現象の探索とそのメカニズムの解明を行った。通常は観測が難しい酸素核でのNMR測定を成功させるため、東北大学金属材料研究所大洗施設においてNMR観測が可能な17O同位体核を高濃縮した特別な単結晶試料を準備した。またネプツニウムの強い放射能の問題を克服するため、同じ施設内に超ウラン化合物専用のNMR測定装置を立ち上げた。さらに高精度での磁場角度依存性の測定を行うため新たに磁場中試料回転機構を開発した。その結果、17O核のNMRスペクトル測定からネプツニウム酸化物の低温の相転移が5f電子の磁気八極子自由度によるものであることを微視的に明らかにすることに成功した。また核スピン-格子緩和時間の測定から、Np核とO核の強い結合に起因する特異な核磁気緩和の機構の存在を示した。さらにNpO_2との比較のため5f電子数のひとつ多いPuO_2のNMR実験も実施し、磁気基底状態の違いを明らかにした。これらの研究成果をまとめたものを国内外の主要な国際的な学術誌に発表し、招待講演を行うなど国際的にも高い評価を受けた。
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