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自由表面をもつ塑性体の非定常な流動に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18740233
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 数理物理・物性基礎
研究機関鳥取大学

研究代表者

大信田 丈志  鳥取大学, 工学部, 助教 (50294343)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード弾塑性モデル / 記憶効果 / ペースト / ソフトマター / 斜面流 / 静力学的不定性 / 残留応力
研究概要

液体と固体の中間的な存在である塑性体に着目し、自由表面をもつ塑性体が駆動力を受けておこなう非定常な運動の理論的研究に取り組んだ。これによりペーストや粉体などソフトマターの流動に見られる特徴的な実験事実を理解することを目指している。
昨年度においては、まず非線形弾性論に応力緩和を組み込んだ等方的弾塑性モデルを構築し、続いて一定の外力で駆動される一定厚さの塑性流体の非定常な流動についての理論解析から、剪断流によって張力が発生すること、およびこの張力が塑性体内部に残留することを示した。これは、ペーストでの実験事実(中原明生氏らによって発見された乾燥破壊の記憶効果=「中原効果」の説明となり得る重要な知見である。
昨年度の解析は、単純化のための制約をいくつか含んでいたが、本年度は一部の制約をゆるめた場合について検討をおこなった。まず振動外力に対する計算をおこない、やはり張力が発生することを示した。さらに空間次元を2次元でなく3次元に拡張した理論解析をおこない、中原氏らの実験に対応する異方的な応力状態が確かに存在することを示した。そのほか液膜厚さが一定であるという制約を除いた解析も試みたが、これは年度内の完成には至らなかった。ただし今回の研究期間中に得られた成果を発展させることにより、まもなく何らかの結果に到達できるものと期待できる。
また、主に斜面流に関して得られた結果を整理して数学的な点での説明を補い、粉体における静力学的不定性との比較検討を追加したものを論文としてまとめた。この論文は、Physical Review Eに受理された。
12月には、上記の中原氏らを講師として招待し、セミナーおよびミニ研究会を開催した。ミ二研究会では、実験・第一原理計算・現象論的モデルなど多様なアプローチが報告され、また討論も研究分野全体の将釆的進展に寄与しうる有意義なものであった。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Continuum theory of memory effect in crack patterns of drying pastes2008

    • 著者名/発表者名
      Ooshida Takeshi(大信田 丈志)
    • 雑誌名

      Physical Review E 77(印刷中)

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 記憶する塑性体の巨視的理論2007

    • 著者名/発表者名
      大信田 丈志
    • 雑誌名

      物性研究 88

      ページ: 352-359

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 弾塑性流体モデルにおける異方的残留応力の3次元解析2008

    • 著者名/発表者名
      大信田 丈志
    • 学会等名
      日本物理学会 第63回年次大会
    • 発表場所
      近畿大学本部(東大阪)キャンパス
    • 年月日
      2008-03-26
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] ペーストの連続体モデルによる記憶効果の数値実験2007

    • 著者名/発表者名
      大信田 丈志
    • 学会等名
      日本物理学会 第62回年次大会
    • 発表場所
      北海道大学札幌キャンパス
    • 年月日
      2007-09-24
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] ペーストの記憶効果の残留張力理論2007

    • 著者名/発表者名
      大信田 丈志
    • 学会等名
      日本流体力学会 年会2007
    • 発表場所
      東京大学教養学部
    • 年月日
      2007-08-08
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.damp.tottori-u.ac.jp/~ooshida/kaken06.html

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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