研究課題/領域番号 |
18740311
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齊藤 昭則 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10311739)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 電離圏 / GPS / 全電子数 / トモグラフィ / 電子密度擾乱 / シンチレーション / プラズマ圏 / GEONET |
研究概要 |
日本上空において電波シンチレーションを発生させる物理機構の解明を行った。日本上空の高度100kmから20,000kmまでの電子密度の3次元分布を算出するトモグラフィ・システムの改良を行い、高速化を実現した。この電離圏トモグラフィは国土地理院GPS受信機網GEONETのデータを利用し、拘束条件付き最小自乗法によってGPS電波経路上の電子密度を推定する手法である。入力データとしてはGEONETデータだけではなく、MUレーダーやアイオノゾンデなど他の観測データも利用できる点が特徴である。推定に用いるパラメータの評価はABICを用いて行った。算出手法め高速化を達成するとともに、従来は2日後に公表される最終版のデータを用いていたが、3時間毎の準リアルタイム・データを用いる事が出来るように処理システムの改良をおこなった。これらにより定常的な処理が可能になり、外部への電子密度データの提供が可能なシステムとなった。GPS電波シンチレーションの結果として、本年は顕著なシンチレーションイベントは発生しなかったが、これは太陽活動度極小期にあたっためと考えられる、そこで太陽活動が活発であった2003年と2004年のデータを用いて解析を行った。これらの期間のうち地磁気擾乱時には電子密度が磁力線に沿った構造をもち、大きな密度勾配が生じていることが、トモグラフィの結果から推定され、そのような時にGPS電波のシンチレーションが発生していることが分かった。このようなGPSを用いた観測結果と、他の観測データを合わせた解析から電波シンチレーションを生じさせる激しい電離圏変動の物理過程の解明を行った。
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