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海-陸境界域における有機物の運搬・保存過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18740327
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 層位・古生物学
研究機関東京大学

研究代表者

大村 亜希子  東京大学, 海洋研究所, 助教 (80401298)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
キーワード堆積場 / 堆積過程 / 海水準変動 / 深海底 / 有機物組成 / 後氷期 / 熊野トラフ / 有機物
研究概要

熊野トラフ東部深海底から採取された音波探査記録と堆積物コア試料を用いて,海水準変動に応答した堆積場の変化を検討した.また,同堆積物試料の有機炭素量と安定炭素同位体比および有機物の蛍光顕微鏡観察に基づいて,海水準変動と堆積物の起源,すなわち堆積物運搬過程の変化も合わせて検討した.
音波探査記録では海底斜面に発達した海底谷開口部に相当する陸棚斜面近傍において,後氷期の高海水準期にも陸側から海側への堆積物移動を示す構造が認められ,同地点で採取された堆積物には高海水準期にも連続的にタービダイトが堆積していた記録が確認された.これに対して海底谷開口部から離れた海盆底の海底扇状地では,海水準上昇初期にはタービダイトが認められるが,高海水準期には認められなかった.これらの結果から,深海底堆積物の堆積場は海水準上昇初期までは海盆底の広範囲にあったが,海水準上昇にともなって次第に陸側へ縮小し,高海水準期になると陸棚斜面近傍に限定されるようになったことが示された.また,堆積物の起源を検討した結果,海水準上昇初期の海盆底堆積物は陸源有機物に富むことから海底谷を通じて陸域から運搬されたと推定されるが,高海水準期の斜面近傍堆積物は陸源有機物の割合が低いことから陸棚斜面堆積物の再移動によって形成されたと推定される.すなわち,海水準変動は深海底での堆積過程と保存される有機物の起源を変化させたと考えられる.
一方,海水中を運搬される有機物と堆積物に保存される有機物の関係を検討するため,同海域に係留されたセディメントトラップ試料の有機物を蛍光顕微鏡で観察し,堆積物のそれと比較した.この結果,セディメントトラップ試料の有機物組成は,現在の深海底表層堆積物の有機物組成と類似し,陸源有機物に乏しいことが確認された.
以上の成果の一部は,2007年9月に札幌で開催された日本地質学会第114年学術大会で発表した.

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 海水準上昇に伴う深海底堆積物の堆積場と起源の変化,後氷期,熊野トラフの例2007

    • 著者名/発表者名
      大村亜希子・池原 研・芦 寿一郎
    • 学会等名
      日本地質学会第114年学術大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-10
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 南海トラフ陸側斜面における最終氷期末期〜後氷期の相対的海水準変動に伴う海盆底への陸源物質供給変化2007

    • 著者名/発表者名
      大村亜希子・池原 研
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会2007年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2007-05-19
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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