研究課題/領域番号 |
18749002
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 国立極地研究所 (2007) 東北大学 (2006) |
研究代表者 |
川村 賢二 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90431478)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 氷床コア / 気候変動 / 地球化学 / 極地 / 氷期・間氷期 / 圧密モデル / 温室効果気体 / ドームふじ / フィルン / 対流混合層 / 氷と空気の年代差 / 重力分離 / 希ガス同位体比 |
研究概要 |
本研究は、南極ドームふじ深層氷床コア空気に含まれる窒素およびアルゴン、クリプトンの安定同位体比を精密測定し、それらの比較から、フィルン内で対流混合によって拡散平衡(重力分離)が妨げられている層の存在を検出し、過去における混合層の厚さを定量化することと、圧密モデルによる氷床コア空気の年代を高精度化することが目的である。 平成19年度は、まず、ドームふじコアの分析対象期間を過去3万年程度と決定し、18試料の切り出しと梱包を北海道大学低温科学研究所にて行ったうえ、スクリップス海洋学研究所へ輸送した。スクリップス海洋学研究所において、本試料の窒素およびアルゴン、クリプトンの同位体比を高精度で測定し、それらを相互に比較したところ、温度拡散による同位体分別を示すシグナルが見いだされた。この現象の確認とメカニズムの解明のためには、今後ドームふじにおいてフィルン空気を採集し分析する必要がある。次に、温度拡散によるシグナルを適切に補正した上で比較を行ったところ、ドームふじのフィルンにおける混合層の厚さが氷期と間氷期でほぼ同程度であり、たかだか10m以内であったという、予想に反する結果を得た。これらの結果は、フィルン層全体の厚さが氷期において現在より薄くなることを示唆している。さらに、現在のフィルンの密度プロファイルを再現するように調整した圧密モデルによって計算したガス年代を、メタン濃度の急激な変動と南極の気温変動のタイミングの比較により検証することにより、年代差の最大誤差が18%であると推定した。この圧密モデルを第二期ドームふじコアでカバーされる期間について長時間積分し、ドームふじコアのガス作業年代を確立した。今後さらにガス年代の誤差を小さくするためには、氷期におけるフィルンの圧密機構の解明と、その適切なモデル化が必要である。
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