研究課題/領域番号 |
18750020
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
長谷川 宗良 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 助教 (20373350)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高強度短パルスレーザー / 回転量子波束 / 強レーザー場 / 非断熱回転励起 / 分子配列 |
研究概要 |
今年度は、非共鳴高強度短パルスレーザーを用い、気相分子の回転波束を生成し、波束の完全な再構築、すなわち波束の位相・振幅の実験による決定を目指した。具体的には、ベンゼン分子に遅延時間τを持つ高強度ダブルパルス(810nm,70fs,10TW/cm^2)を照射し、その結果生成した回転波束の回転状態分布の測定を行った。特に、特定の回転状態のポピュレーションが、遅延時間τに対してどのような変化をするか測定した。このような測定によって、回転波束を完全に再構築できることが理論的に明らかとなったため、当初の目的であったイメージングを用いた回転波束の測定から、このダブルパルスを用いた手法に切り替えて研究を進めた。実験では、ベンゼンのS1-S0601バンドのrR0(0)遷移を用いた二光子共鳴イオン化法で、電子基底状態の回転状態JK=00の遅延時間τ依存性を測定した。開発した理論を用いることで、測定したJK=00のτ依存性から回転波束の位相・振幅を実験的に決定することができた。本研究によって、高強度超短パルスによって生成した回転波束(波動関数)を、実験的に初めて決定することができた。またベンゼン分子の非共鳴高強度短パルス光による回転励起シミュレーションコードを作成し、実験と計算で得られた位相・振幅を比較した所、良い一致が得られた。また、シミュレーションによって、回転波束の位相が光強度に大きく依存すること、そしてこれが強レーザー場に特有な現象であることがあきらかになった。
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