研究課題/領域番号 |
18750031
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (80362622)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | n型有機半導体 / オリゴチオフェン / フルオロアルキル縮環 / 機能性共役オリゴマー / 有機電界効果トランジスタ |
研究概要 |
本研究では、n型有機電界効果トランジスタ材料の開発を目的としている。有機電界効果トランジスタは拡張共役分子のデバイスへの応用という観点から学術的のみならず産業的にも注目されている研究分野であるが、n型有機半導体の開発はp型有機半導体に比べて大きく遅れている。近年、電子受容性置換基を導入したπ共役化合物は電子輸送能が増加するため、有機n型半導体への展開が見込まれている。この観点からフルオロアルキル基を導入したオリゴチオフェンの研究が行われているが、有効な共役を損なうことなく導入できる位置は限られていた。この欠点を克服する新規ユニットとして、申請者はフルオロアルキル縮環チオフェン、および、フルオロアルキル架橋ビチオフェンの開発に昨年度成功した。そこで今年度はこれらをユニットとするオリゴチオフェンの開発を行った。フルオロアルキル縮環チオフェンのみで構成されるチオフェン6量体を創製し、その薄膜をキャスト法で作製し、時間分解マイクロ波伝導度測定と過渡吸収測定を組み合わせて電子移動度を見積もった。その結果、0.20cm^2/Vs と高い電子移動度が得られた。この結果は創製したオリゴチオフェンが電子輸送性材料として十分な性能を持つことを示唆するものである。フルオロアルキル架橋ビチオフェッから誘導化したチオフェン4量体の薄膜を真空蒸着法で作製し、トップコンタクト型素子でトランジスタ特性評価を行った結果、電子移動度0.018cm^2/Vs,/on/off比1.3×10^3と良好な結果が得られ、n型有機半導体として十分に機能する事が明らかとなった。フルオロアルキル架橋の有効性が明らかとなったので、さらなる新規ユニットの開発を行い、フルオロアルキル縮環テルフェニル、および、これを含む共役オリゴマーの開発にも成功した。
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