研究課題/領域番号 |
18750053
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 奈良女子大学 (2007) 早稲田大学 (2006) |
研究代表者 |
中島 隆行 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (80322676)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 多核金属錯体 / 超分子錯体 / 自己集合 / コバルト / ニッケル / 金属多核クラスター / アミノアルコール |
研究概要 |
遷移金属錯体は、新規触媒反応の開発といった利用に止まらず、近年金属の多様な配位能や結合様式を利用して、分子認識や光、磁気材料などの機能性材料としての応用が盛んに研究されてきている。 特に、超分子化学の分野では遷移金属錯体を利用し、遷移金属のd軌道の存在により生まれる四面体、平面正方形、八面体等といった幾何学的構造の多様性と、遷移金属と配位子との可逆的な相互作用を利用する事により通常の有機化学の手法を用いたのでは合成困難な多様な構造を有する化合物を一挙に構築している。金属錯体は酸化還元による金属イオンの酸化数の変化をともなう電子機能、d電子の不対スピンに起因する磁気特性、多様な電子遷移に基づく可視領域での色の変化などの特徴を有している事から遷移金属を基本骨格に有する超分子科学の研究は、非常に精力的に行われている。しかし、金属錯体を用いる超分子錯体の研究は、単核の金属錯体を用いたものばかりで、金属-金属結合を持つ有機金属多核クラスターを基本骨格に持つ超分子錯体の合成例は、ほとんど見られない。有機金属多核クラスターは、単核の錯体に見られない多電子移動、磁気的特性を有する事から新しい機能性を超分子化合物に付与する事が期待される。申請者は、上記の研究目的に基づきジエタノールアミン類を配位子とする多核金属クラスターの合成研究を行ってきた。今回、3-[benzyl (2-hydroxyethyl) amino]-1-propanol (LH_2)を配位子として用いることによりニッケル及びコバルトの4核錯体M_4L_2(OAc)_2(MeOH)_2が得られてくることを見出している。ここで,容易に交換可能なメタノール部位を他のアルコール系配位子に置換可能なことが分かった。 そこで,ジオールを用いることにより4核骨格を集積化した直鎖状クラスターが合成することを明らかにし,当初の目標として設定した多核クラスターを基本骨格に持つ超分子錯体の合成を達成することができた。
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