研究課題/領域番号 |
18750075
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2007) 北海道大学 (2006) |
研究代表者 |
松尾 剛 慶應義塾大学, 大学院・政策メディア研究科, 講師 (10300899)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 二分子膜 / 界面活性剤 / ゲル / キラリティー |
研究概要 |
我々のグループは、世界で初めて、二分子膜構造をゲル中に固定化した「二分子膜固定化ゲル」の開発に成功した。二分子膜固定化ゲルとは、界面活性剤が、水溶液中において、二分子膜構造を形成し、その二分子膜間にアクリルアミドと架橋剤が存在したサンドイッチ状構造をとり、光重合により、その構造をゲルにして固定化した特殊なゲルである。さらに二分子膜を形成する界面活性剤の分子中にキラリティーを持たせることで、従来のラセミ体とは異なる物性を示した。即ち、キラル体の場合、同一の立体構造を有る分子のみが存在するため、二分子膜を形成する際、ラセミ体よりも密な状態で膜を形成する。これまで、この二分子膜固定化ゲルを作製する際、用いている界面活性剤とイオン性界面活性剤SDSとの濃度変化による詳細な構造形成の変化について明らかにし、さらに、二分子膜固定化ゲル作製において、その反応系内での重合について、独立した組織化重合が行われていることを明らかにした。 本年度は、二分子膜を形成する重合吐界面活性剤が、キラル体とラセミ体で、その重合陛が違うことを示した。即ち、キラル体の方が密な状態で膜を形成しているが、重合開始剤に過酸化水素水を用いた際、重合速度は、ラセミ体の場合より遅い。また、重合開始剤にイルガキュア2959を用いた場合は、キラル体の方がラセミ体より若干、重合速度が速い結果を得た。以上は、重合開始剤の二分子膜に対する興味深い挙動を示唆するものである。
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