研究課題
若手研究(B)
アミノ糖は生理活性を示すオリゴ糖に多く含まれる単糖であるため、オリゴ糖ライブラリーへの導入が不可欠である。本年度はヘキソースを用いて明らかにした知見を基に、電解グリコシル化反応のアミノ糖への基質拡張と反応中間体の解明、並びに活性種の変換を行った。まず、アミノ糖を与える糖供与体として2-アジド基や2,3-オキサゾリジノン骨格を有するチオグリコシドを用い、糖受容体の非共存下での低温電解酸化を行った。この電解後の溶液を低温NMRにより分析し、発生した化学種はα-グリコシルトリフラートであることを明らかにした。これらのグリコシルトリフラートを用いたグリコシル化反応を行ったところ、糖受容体によって差はあるもののβ-選択性が発現することが分かった。また、糖供与体の水酸基上の保護基によっては、反応後に昇温することでα体への異性化が進行することが明らかになり、α体とβ体が選択的に合成出来ることも分かった。本手法は単一の糖供与体から反応条件の違いによってα体とβ体を作り分けることが出来る点でオリゴ糖ライブラリー構築上、有用である。さらに2-アジド基を有するチオグリコシドから発生させたα-グリコシルトリフラートに対してスルフィドを作用させることで、スルフォニウムイオンへと定量的に変換できることを見出した。このスルフォニウムイオンの構造、反応性を明らかにすることはグリコシル化反応の立体選択性発現のメカニズム解明や新規立体制御手法の開発につながる点で極めて重要であり、現在も検討中である。
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