研究課題/領域番号 |
18750092
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80291235)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ハイパーブランチポリマー / ハイパーブランチ糖鎖高分子 / 両親媒性ポリマー / 分子捕捉 / 分子放出 / 分子認識 / ナノカプセル |
研究概要 |
ハイパーブランチポリマーは一段階での合成が可能な球状ポリマーであり、その特異な機能性に関する研究は興味深い。このポリマーの末端修飾によって得られる両親媒性ポリマーはコアとシェルで異なる溶媒親和性を有した単分子ミセルとなり、コアにゲスト化合物を捕捉する機能を持つ。そこで本研究では、新規なハイパーブランチ糖鎖であるハイパーブランチポリスレイトール(1)の末端トリチル化による両親媒性ハイパーブランチポリマー(2)の合成を行い、2の親水性色素捕捉能および放出能について検討を行った。 1のトリチル化は均一系で進行し、褐色の粉末を得た。得られた2の置換度(DS)はトリチルクロライドの添加量に応じて増加し、様々なDSを有する2の合成が可能であった(Table1)。また、2はアセトンやクロロホルムなどの有機溶媒に可溶であり、1と大きく異なる溶解性を示した。次に、2の分子捕捉能を検討するため、クロロホルム中における2の水溶性色素(ローズベンガル:RB)の捕捉実験を行った。捕捉実験後のクロロホルム溶液は明らかに着色しており、UVスペクトルを用いた定量分析から、2は1分子あたり、0.5-4.9分子のRBを捕捉していることがわかった。2のRB捕捉量はコアとして用いた1の分子量に伴って増加し、また2のDSによっても変化した。続いて、RBを捕捉した2の水中におけるRB放出実験を行った。2のRB放出率はDSが15.7%の場合が最も高かった。一方、DSが増加するにつれ、RBの放出はほとんど見られなくなった。以上の結果から、末端トリチル化ハイパーブランチ糖鎖(2)は疎水性溶媒中で水溶性色素を捕捉する単分子ミセルであり、その色素捕捉量、放出量は2の分子量やDSに応じて変化することを明らかにした。
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