研究課題/領域番号 |
18750098
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 (2007) 名古屋大学 (2006) |
研究代表者 |
山本 智代 鈴鹿工業高等専門学校, 生物応用化学科, 講師 (80314045)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 多糖 / 配位子 / 光学分割 / キラル固定相 / 不斉合成 / 高速液体クロマトグラフィー / ビピリジル |
研究概要 |
本研究は、強い配位能を持つ置換基を側鎖に有する新規セルロース誘導体を合成することで、極めて規則的に制御された高次構造を有する多糖に新しい機能を付与することを目的とするものである。本年度は昨年度に引き続き、ビピリジル基を全ての側鎖に、また、位置特異的に有する様々なセルロース誘導体の合成を行い、その光学分割能の評価や不斉合成への応用について検討を行った。本研究で合成した様々な誘導体についてHPLC用キラル固定相に用いて光学分割能を評価した結果、2,3位または6位に位置選択的にビピリジル基を導入したセルロース誘導体が比較的高い光学分割能を示した。またこれら誘導体をいくつかの不斉合成反応の触媒に用いてその効果を検討したところ、シクロプロパン化反応において、6位のみにビピリジル基を有するセルロース誘導体を銅のキラル配位子として用いたときに、二つの鏡像異性体が異なる割合で生成した。中でも、グルコース環の2,3位に3,5-ジメチルフェニルカルバメートを、6位にビピリジルのエステル基を有するセルロース誘導体で最も高い鏡像体過剰率(ee)が得られた。これは、6位のみに反応点を形成することで位置特異的に反応が進行し、多糖の規則的な構造を不斉合成に効果的に活かすことができたためと考えられる。また、ビピリジル基以外にもピリジル基を有する様々な誘導体の合成を行ったところ、ピリジル基にクロロ基を導入することで光学分割能が向上することがわかった。さらに、セルロースの4-ピリジルエステル誘導体が、塩酸水溶液の濃厚溶液でリオトロピック液晶性を示すことがわかった。
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