研究課題/領域番号 |
18750118
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小川 和也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (50335486)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 二光子吸収 / ポルフィリン / アセチレン / 色素 / 三次元光メモリー / 光線力学療法 / 超分子 / カップリング反応 |
研究概要 |
本年度は二光子吸収を用いた三次元光記録材料の開発を行った。二光子吸収部位としてエチニルポルフィリン、光スイッチング部位としてフォトクロミック分子であるペリナフトチオインジゴを連結させた。700nmの波長の光照射によってトランスからシスへの光異性化が生じ、500nmの波長の光照射によってシスからトランスへの光異性化が生じた。両異性体とも室温で安定であった。二光子吸収断面積は120 fsパスルレーザーによるZ-scan法により決定し、トランス体が2000 GM、シス体が700 GMであった。フォトクロミック分子としては非常に大きな値であった。890 nmの波長のフェムト秒レーザーによる二光子照射実験を行い、トランスからシスへの二光子光異性化を実証した。また二光子光線力学療法の検討を行った。二光子吸収断面積が大きいアセチレン連結ビスポルフィリンの末端に水溶性部位を連結し薬剤とした。水中での二光子吸収断面積はナノ秒パルスによるZ-scan法で測定し890 nmにおいて33000 GMであった。光照射による一重項酸素の発生を確認し、さらに二光子照射による一重項酸素の発生を一重項酸素スカベンジャーを用いて観測した。ヒーラ細胞を用いた殺細胞実験をフェムト秒パルスによる780 nmでの二光子照射で行った。その結果、二光子照射を行った細胞でのみ破壊が観測され二光子光線力学療法の有効性を証明した。 以上、当初の設計通り高い二光子吸収効率を有する新規な三次元光記録材料の開発に成功し、二光子光線力学療法の実証にも成功した。
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