研究課題/領域番号 |
18750130
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
西野 正理 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主任研究員 (80391217)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 弾性相互作用 / スピンクロスオーバー / 分子動力学法 / 体積変化 / シミュレーション / 格子歪 / 協力現象 / Prussian Blue / 光誘起磁化 / 高スピン状態 / 緩和過程 / 希薄磁性 / モデル |
研究概要 |
スピンクロスオーバー錯体は光誘起相転移現象(光照射によるlow spin状態とhigh spin状態の間の転移)を示し、現象の新奇性と光メモリー等への応用の可能性から注目され、精力的に研究されている。しかし、多くの自由度が複雑に連携して、分子間の協力現象の結果発現するため、メカニズムは非自明であり、その解明が課題となっている。その機構解明及び物性発現の予測を理論・計算により行うために、スピンクロスオーバーのリアリスティックなモデルの構築を行なった。これまでのスピンクロスオーバー相転移のモデルの研究では、スピン様モデルでの解析が主体であった。しかし、モデルのパラメーターは現象論から導入されたものであったため、パラメーターの起源が不明瞭であり、実在の物質系からパラメーターの値を抽出するのが困難であった。そこで、スピンクロスオーバー系で重要な弾性相互作用に基づくモデルの構築を行い、そのモデルに対する物性の解析方法を開発した。分子内断熱ポテンシャルと分子間の相互作用ポテンシャルを考慮したスピンクロスオーバー系の弾性体モデルを提案し、分子動力学法により局所的な格子ひずみが協力的弾性相互作用を生み出して相転移を起こす機構を示すことに成功した。これにより個々の物質系のポテンシャルなどの情報をモデルのパラメーターに反映させる方法論が得られ、相転移の詳細を解析することが可能となった。
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