研究課題/領域番号 |
18750150
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
橋詰 峰雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (40333330)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ナノ材料 / 生体材料 / 有機-無機ナノハイブリッド / バイオミネラリゼーション / 無電解めっき / 人工細胞膜 / 有機-無機ハイブリッド / セラソーム / ヒドロキシアパタイト / 擬似体液 / ナノ結晶 |
研究概要 |
本研究は、人工細胞膜の高次機能化を念頭におき、種々の無機ナノ物質を人工細胞膜(ベシクル)表面へ効率よく固定化する手法の開発を行うものであり、バイオミネラリゼーションに倣った水溶液中での無機結晶析出法を構造安定な有機-無機ハイブリッドベシクル「セラソーム」に適用することでその実現を目指すものである。これまで基板上に積層したセラソームに対して擬似体液中からヒドロキシアパタイトの結晶を析出させることに成功している。 本年度は、以前より継続して行ってきた擬似体液中に孤立分散したセラソーム表面へのアパタイト析出についてその最適条件を明らかにし、さらにその成果を他の結晶析出系へ拡張することを目的とした。しかしながらアパタイト結晶の析出は強く示唆されたものの、溶液中で生成するセラソームーアパタイト複合体の構造制御、分散性の制御が予想以上に困難であり、コロイド粒子分散系における問題点が明らかとなった。そこで対象をアパタイトのような生体関連セラミックスに限定せず、「人工細胞膜への非有機化合物の表面ナノコーティング」というより広い視点から改善策について検討した。その結果、溶液からの精密な金属析出法として近年注目されている無電解めっき法を適用することで、セラソーム表面へのニッケルや軟磁性合金など、種々の金属や合金層の形成が可能であることが明らかとなった。当初の計画とは少し具体化の手法が変わったものの、ベシクル表面への無機、金属ナノ物質の表面修飾という観点から見れば大きな転機となる成果が得られた。今後より詳細な検討を進めることで、将来的にはバイオミネラリゼーションに倣った手法との融合により、複数種の無機ナノ結晶を人工細胞膜表面へ修飾するための一般的手法が確立できるものと期待される。
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