研究課題/領域番号 |
18750164
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
荻原 信宏 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (70418672)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | シリコン / ナノワイヤー / n-型導電性ポリマー / 自己修復機能 / 体積膨張・収縮 / 高出力化 / 還元電解重合 / 高エネルギー密度 |
研究概要 |
本研究ではリチウムイオン二次電他用大容量シリコン系負極材料の創製のため、(1)ナノワイヤー化されたシリコンを電極材料とする、(2)電解液にn-型(Li^+ドープ型)導電性ポリマーの前駆体とポリマー生成促進用触媒を添加剤として加えることで、シリコン負極の充電時に自己修復的な還元重合により電子・イオン(Li^+)伝導ポリマー被覆シリコンナノワイヤー電極を構築する、という2つのアプローチを行うことでサイクル特性と出力特性の向上をはかることを目的とする。 本研究の学術的な特色としては、(I)シリコンをナノワイヤー化することで大表面積化し利用率を高める、(II)シリコンの体積膨張・収縮をポリマーが緩衝する、(III)シリコン表面にn-型(Li^+ドープ型)導電性ポリマーを被覆することで、体積膨張・収縮時においても電子・Li^+伝導パスを維持することができる、などが考えられ、これまでのサイクル特性の問題点を解決するだけでなく高出力化といった新たな特徴を有する電極創製ができることにある。更に、本研究アプローチは、被覆する導電性ポリマーの前駆体(モノマー)は添加量であり、充電時のシリコン表面における還元雰囲気場を反応の駆動力とするため、極少量のモノマー量で自己修復的・選択的にコンポジット体を形成する点において独創的である。Li^+ドープ型導電性ポリマーの還元生成電位(1.2V(vs.Li/Li^+))は、シリコンのリチウム吸蔵電位(0.4-0.1 V)に比べより高電位で起こることが考えられることから、シリコンの体積膨張以前に安定で電気活性なポリマーが被覆され、シリコンのリチウム吸蔵時の体積膨張・収縮においても被覆したポリマーが電子・イオン伝導体として機能し、高サイクルで高出力な電極創製が可能である。本研究の提案事項は、材料科学的に新しい複合の概念を与えるだけでなく、界面の熱力学や速度論に関しても多くの情報が得られ学術的にも重要な意味を持つと考えられる。
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