研究課題/領域番号 |
18750186
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 東京農工大学 (2007) 東京工業大学 (2006) |
研究代表者 |
富永 洋一 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 講師 (30323786)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / 高分子固体イオニクス / イオン伝導度 / ポリエーテル / 高分子複合材料 / メソポーラスシリカ / ルイス酸-塩基相互作用 / リチウム電池 |
研究概要 |
本研究では、固体状態で解離イオンを効果的に生成し速く輸送できるポリエーテル系電解質材料を超臨界二酸化炭素(scCO_2)を溶媒とした反応プロセス中で作製し、室温で10^<-4> S/cm以上の高いイオン伝導度を与える系の設計指針を提案することを目的としている。前年度までの成果は、高分子論文集(総合論文)などに纏めた。一方で本年度は、前年度に明らかとなったイオン伝導度の改善が更に期待されるメソポーラスシリカを充填した高分子複合系について検討を進めた。これまでに、耐熱性ポリイミド系電解質膜などの高いプロトン伝導性が多数報告されているが、同時に低湿度下における高い伝導度の達成は困難であり、既存の系では実現不可能である。そこで、プロトン伝導性高分子中に規則的な周期構造を有するメソ多孔体を分散させた、新しいハイブリッド電解質膜を提案した。このメソ多孔体は、界面活性剤を鋳型とするゾルゲル反応によって容易に合成され、周期構造や孔径を10 nm前後で自由に制御できる、新しい無機材料である。プロトン移動に最適なクラスター構造を耐熱性のメソ多孔体内部に構築できれば、高温・低湿下でも安定した水分の保持と高いプロトン伝導度の発現が可能な電解質膜の作製が期待される。将来的には、使用環境に左右されない次世代PEM-FCの開発にも繋がる可能性がある。試料作製として、市販のNafion膜に未修飾MPSおよび表面スルホン酸基修飾体(Su-MPS)を充填したハイブリッド電解質膜を新規に作製し、プロトン伝導挙動について測定した。その結果、Nafion膜単体と比較して複合膜のプロトン伝導度は約1.5倍から2倍高く、80℃・95%RHにおいて9.4×10^<-2> S/ccm(Nafion + 5wt% Su-MPS)を達成した。合成されたSu-MPSの酸性度は極めて高く、水の保持とプロトン移動の促進がメソ孔内部で実現したため、イオン伝導性の向上に繋がったものと推察されている。
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