研究課題/領域番号 |
18760004
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小畠 秀和 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10400425)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 干渉計 / 融体 / その場観察 / メルト-ガス界面 |
研究概要 |
高温融体からのシリコン半導体単結晶育成プロセスでは、結晶化に伴い生じた潜熱の放出によって結晶の品質、形態が決定される。この結晶化潜熱は(1)放射、(2)メルト-結晶間の熱伝導、(3)雰囲気ガスへの熱伝導によって失われる。しかしメルトーガスへの熱伝導による熱損失は未だ定量化なされていない。これは融体からの輻射による熱輸送と雰囲気ガスへの熱伝導による熱輸送が区別できないことが原因のである。本研究ではこのガスへの熱放出過程を定量化することを、干渉計を用いて高温メルト近傍のガス温度・濃度を測定することで明らかにすることを目的としている。 干渉計による融体からガスへの熱損失を定量的に評価するためには、融体からの幅射による熱損失も明らかにする必要がある。そこで真空中でモジュレーションカロリメトリーを行い、輻射を支配するシリコン融体の放射率測定を行った。次にガス中でもモジュレーションカロリメトリーを行い、ガス中での"見掛けの放射率"を測定レた。この放射率と見掛けの放射率との差がガスへの熱伝達にとなる。この測定の結果、輻射による熱伝達により失われる熱の約0.5倍のエネルギーがガスへの熱伝達によって失われることが分かった。 干渉計を用いたその場観察によるガスへの熱伝達測定の定量化を試みたが、熱物性測定によって得られた熱損失量との比較の結果、干渉計による測定と一致しないことが分かった。これは、(1)対流が存在するため、融体周辺での定常的な温度場を仮定することができない。(2)干渉計測定による定量化ではその視野内で温度を規格化する点が必要であり、その精度によって値がずれるためである。今後、これら問題点を改良した測定を行う必要がある。
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