研究課題/領域番号 |
18760037
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤村 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50361647)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | フォトリフラクティブ効果 / 窒化ガリウム結晶 / フォトクロミズム |
研究概要 |
本研究は、ホログラフィックメモリーへの応用を念頭におき、ごく最近入手可能となったバルクのFeドープGaN(Fe:GaN)結晶において、フォトリフラクティブ効果を発現させ、その特性を評価することを目的としている。 本年度は、反射型配置において2光波混合実験を行い、Fe:GaN結晶のフォトリフラクティブ特性の評価を行った。その結果、Fe:GaN結晶は、波長458nm・屈折率格子間隔100nmにおいて、0.39cm^<-1>という2光波混合ゲイン係数と入射光強度1W/cm^2で7msという応答速度を得ることができた。得られた2光波混合ゲイン係数の値は、まだ格子間隔が最適化されていないことを考えると比較的大きな値であるということができる。また応答速度は、半導体材料としてはやや遅いが、これはFe:GaNにおけるキャリアがホールであるためと考えられる。またホログラム保持時間は40msという値を得た。この値は、情報を長期保存することを目的とするメモリーとしては不十分であるが、これは結晶の抵抗率がまだ十分高くないためで、今後高品質な高抵抗結晶が得られるようになればより長い保持時間が達成できると期待される。一方でFe:GaN中には、屈折率格子と同時に吸収格子も形成されていることがわかった。この吸収格子の起源は、昨年度に本研究で調べたFe^<3+>のフォトクロミズムが強く関与していることが示唆されている。本研究により、GaN結晶は、抵抗率の高い高品質な厚い結晶が成長できるようになれば、有望なフォトリフラクティブ材料となりえることが示された。今後の課題は、Feの添加量の最適化や、添加物の選択により、キャリアをホールから電子にかえ、応答速度を改善することにある。
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