研究課題/領域番号 |
18760056
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
小野田 忍 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (30414569)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | シングルイベント過渡電流 / イオントラック構造 / 炭化ケイ素(SiC) / TCAD / 高エネルギー重イオン / プラズマ |
研究概要 |
18年度は、従来の集束型重イオンマイクロビーム(6〜18MeV)に加え、開発したコリメート型重イオンビーム(数百MeV)を利用し、1個の重イオン入射に伴い半導体素子で発生するシングルイベント過渡電流(SETC)の測定システム(TIBIC)を開発した。19年度は、双方の利点を併せ持つ集束型重イオンマイクロビーム(数百MeV)を応用したTIBICを開発し、MeV〜百MeV級という幅広いエネルギーのマイクロビームによるSETCを計測することに成功した。18年度には、Siダイオードにおいて発生するSETCのエネルギー依存性をKatz理論を用いたイオントラック構造シミュレーション及びSynopsys製のデバイスシミュレータ(TCAD)を用いて解析し、その発生メカニズムを明らかにした。19年度は、Siで明らかとなった重イオン誘起プラズ々とSETCの関係が、耐放射線性が高いと期待されている炭化ケイ素(SiC)においても同様に成立するか否かについて検討した。その際、照射条件のみでなく、試料の条件(印加電圧)を変えることで、実回路に試料を組み込んだ状態を想定した実験を行った。Si及びSiCの双方において、電圧の増加とともにピーク値が増加し、立ち上り及び立ち下り時間が減少した。これらは互いに補償し合うため、SETCを時間積分して得られる電荷収集効率は電圧依存性を示さないことが分かった。また、SiCはSiと比較してオージェ再結合の影響を強く受けることから、重イオン誘起プラズマが崩壊するまでの時間が短く、アンバイポーラ拡散電流の影響が現れ難いことが分かった。このように、本研究を通して、Siのみならず耐放射線性半導体素子として有望視されているSiCダイオードにおける重イオン誘起プラズマとSETCの関係を明らかにした。
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