研究概要 |
外力・温度変化を受けるPFC積層型圧力センサの動的大変形挙動を明らかにし,その破損を防止することを目的とし,本年度は以下の研究実績を得た。まず,圧電積層構造物が衝撃接触荷重あるいは定常熱負荷を受ける時に発生する過渡変形を積層板理論により理論的に解明し,変形を有効に抑制するための制御手法を解明した。具体的には,圧電センサ層で検出された電位あるいは電位の時間変化率に比例した電圧を,圧電アクチュエータ層に連続的に印加することにより,過渡変形を効果的に抑制できることが分かった。この成果は,当初の目的であるウェアラブル歩行補助装置用の構成要素としてのPFC積層型圧力センサの設計の基本的な指針を与えるだけにとどまらず,同装置のアクチュエータとして活用する場合の設計指針をも与える。なお,この成果をまとめた論文3編が国際学術論文雑誌に掲載された.続いて,圧電積層構造物が力学的・熱的・電気的負荷を受ける時に発生する動的大変形をVon Karmanのひずみを考慮した大変形理論により解明し,構造物が座屈・不安定振動等の不安定現象を起こす条件を解明するとともに,不安定現象を抑制するための制御手法を解明した。この成果は,PFC積層型圧力センサがウェアラブル歩行補助装置の構成要素として実用的な使用環境下で用いられる場合に対する設計指針を与える。なお,この成果を国内外学会で発表するとともに,国際学術論文雑誌に投稿準備中である。
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