研究概要 |
本研究の目的は,半導体プロセスのための斜入射反射防止効果のあるナノ構造光学素子を利用した超斜入射干渉計の開発を行うことである.また,ナノ構造素子の設計手法について検討する.さらに,設計・作製したナノ構造光学素子を斜入射干渉計に適用し,入射角度86度まで計測可能な干渉計測装置を作製した. 特に,本年度は,前年度の研究によって設計・作製したナノ構造プリズムを用いて,超斜入射干渉計を作製した.また,ここでは,従来報告のあるシミュレーション手法である厳密結合波解析法(RCWA法)を用いて検討した.その結果,既存の反射防止構造を付与したプリズムに反射防止特性が得られることが分かり干渉計製作に適用した. 干渉計の作製は,原理確認のためマッハチェンダー型干渉計を自製作した.また,干渉解析に必要となる位相解析には,圧電素子による方法やPLZTのような強誘電性物質による屈折率制御などの新たな手法を検討した.今回は,PZT素子を用いた手法を干渉計に組み込んだ.また,PLZTを用いた手法が有効であることがわかった. 以上の斜入射干渉計を製作,実証を行い半導体デバイスの計測に適用した.なお,研究成果は, Optical Engineering誌に投稿する予定である.
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