研究課題
若手研究(B)
本研究課題について平成19年度は、モーションキャプチャ計測および有限要素解析の両面から下肢関節の荷重負荷環境について調査した。まず、本申請により開発したモーションキャプチャシステムにより、工場内でおこなわれる重量物持ち上げ作業の姿勢計測をおこなった。周囲に障害物が存在しない自由空間においては、膝および腰部を前後に変位させている様子が明らかになった。この変位量は挙上する貨物重量に応じて増加した。一方、周辺に工作機械が林立する環境では、積載重量を増加させても膝および腰部の変位はほとんど発生しないことがわかった。作業者は周辺の工作機械に接触しないように無意識下で自覚していると考えられ、従来予想されていたよりもはるかに窮屈な姿勢で重作業が行なわれることが予想された。つぎに、下肢骨格負荷に関する有限要素解析について、臨床的な妥当性を得られるコンピュータモデルの研究を行なった。本研究では下肢関節の再現に必要な骨、靭帯、筋肉の組み合わせについてアセンブル時の境界節点数の不一致に対応し、充填後の要素サイズの均等化を制御でき、解析結果の精度向上が期待できることを示した。これらの成果を踏まえ、歩行時を想定した弱屈曲状態と、起立時の膝関節について非線形静的構造解析を行ない、一部の靭帯の有無による力学的環境の違いを比較した。その結果、膝蓋靭帯の応力値に大きな変化は認められないが、外側側副靭帯において応力値が増加した。これらの結果から、弱い屈曲に対しても関節周辺の力学環境は大きく変化し、関節付近靭帯へ加わる負担が急激に増加することが示唆された。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
日本機械学会第20回バイオエンジニアリング部門講演論文集 No.07-49
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日本機械学会2007年度年次大会講演論文集 No.07-01(5)
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日本磯械学会第19回バイオエンジニアリング部門講演論文集 No. 06-65
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第11回日本バーチャルリアリティ学会講演論文集
日本機械学会2006年度年次大会講演論文集 No. 06-1-(5)
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