研究概要 |
本研究では、以前より人体に直接アクチュエータを取り付けて使用しても十分安全性が保たれ,かつ,軽量な柔軟アクチュエータの開発をめざし,柔軟チューブをシリンダに用いたロッドレス型の柔軟空気圧シリンダを開発してきた.しかし,この柔軟空気圧シリンダは柔軟性を有するため,変位の測定に既存の剛体のポテンショメータやロータリーエンコーダなどのセンサが使えない.また無理にこれらセンサと組み合せると,シリンダが本来有する柔軟であるメリットを失うことになる.そこで,本研究では,ロッドレス型柔軟空気圧シリンダに,位置のセンシング機能を付加したセンサ一体型柔軟アクチュエータの開発について検討した.具体的には,反射型赤外線センサ(三洋電機製フォトリフレクタ)を2個用いたリニアエンコーダを構成し,シリンダに用いている柔軟チューブ表面に施したスリット(ピッチ2mm,幅1mm)を読み取ることで,位置のセンシングを行うセンサ一体型柔軟空気圧シリンダを提案し,試作した.本年度はシリンダのチューブに設けたスリットの塗料および形状とチューブ素材の最適な組合せについて検討し,ノイズの少ないリニアエンコーダを構成した.また,マイクロコンピュータ内部に構成したUp/Downカウンタを用い,センサからの位置信号のフィードバックによるシリンダの位置決め制御を実現した.さらに,試作シリンダを用いて伸縮・湾曲が可能な柔軟なロボットアームを構成し,その位置決め制御を行った.また昨年度の同様に,試作シリンダの駆動用制御機器としてOn/Off型空気圧制御弁とマイクロコンピュータを用いた小型の圧力制御弁に改良を加え,性能評価のため各種柔軟アクチュエータの位置決め制御を行った.
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