研究課題
若手研究(B)
力覚の伝達と再現を扱う実世界ハプティクス技術は、将来の人間支援ロボットの実現にあたって必要不可欠な要素技術となっている。その中でも、アクチュエータに外乱オブザーバを適用した力覚フィードバック制御は、各個人の身体機能に適合した動作生成ならびに親和性の高い接触動作の実現において欠かすことのできない鍵技術となっている。本研究では、力覚フィードバック機能を有するリハビリ支援ロボットの開発を目標としており、本年度において次のような研究実績を得ることができた。1.力覚フィードバックを有する多自由度リハビリ支援ロボットの基本設計、試作昨年度に開発したセンサレス力覚推定技術をX-Yテーブル構造を有する多自由度リハビリ支援ロボットに実装した。また、マスタ・スレーブシステムの2台にリハビリ支援ロボットを拡張することにより、介助者による遠隔地からのトレーニングのアシスト動作を可能にした。2.自動負荷調整ユニットの評価昨年度に開発した位置・加速度統合型外乱オブザーバにより、人間の感じる周波数帯域すべてをカバーした力覚フィードバック制御に基づく自動負荷調整が可能になったため、本年度ではこれをヒューマンインタラクティブモーションに適用し、その評価を行った。具体的には、人間の上肢をモデル化することにより、トレーニング中に操作者の手首、肘、肩関節にかかるトルクをリアルタイムで推定する技術を開発した。このリアルタイムモニタリングに基づき、負荷トルクが個人ごとの閾値を超えた場合には自動的に負荷を減少させることで、安全なトレーニング動作が可能になることを各種試験により明らかにした。上記の研究成果は12件の査読付き論文に結実するとともに、5件の学会発表を行い、成果の普及に努めた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (5件)
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