研究概要 |
シリコーンゴム製高分子がいしの国内での実地試験中に,その表面に藻類の生殖が観察された。藻類が生殖した部位の撥水性は低下しており,湿潤時の電気絶縁性の低下が懸念される。昨年度の研究では,藻類汚損したシリコーシゴムの漏れ電流性状およびその撥水性の変化を塩霧加速試験で調査し,藻類汚損の影響度を実験室ジベルで定量化ずるたあの塩霧試験装置および計測システムを製作・構築した。本年度の研究では,その構築したシヌテムを用いて,クロレラ汚損き罰たシリコーンゴムを塩霧試験に供し,観測される漏れ電流を基に電気絶縁性を評価した。以下の結論を得た。 1.クロレラ汚損度が高くなるに従い,材料の侵食につながる局所アークがシリコーンゴム表面上に多く観察きれ,電気絶縁性および材料信頼性への悪影響を懸念しなければならない。 2.従来想定されている無機汚損物質であるカオリンによる汚損とクロレラによる汚損を比較した場合,同程度に汚損度であれば,クロレラ汚損は非常に大きな局所アークを漏れ電流を発生させる。 3.漏れ電流に含まれる放電に曝されることにより,クロレラはシリコーンゴム表面に焼き付き,固着していた。そのため,雨洗効果による除去は期待できず,人為的な除去が必要である。 4.クロレラを用いた汚損試験の結果,藻類は非常にシリコーンゴム製がいしに悪影響を与える可能性が高く,生殖を防御するための添加剤などを利用することが重要である。
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