研究課題
若手研究(B)
β-FeSi_2単結晶を利用し、室温付近以下で利用できる熱電変換素子の開発を目的として、H18年度の研究成果をふまえ本年度は(1)β-FeSi_2単結晶中のp,n不純物添加、(2)低温領域での熱電特性評価を主に行った。その結果得られた成果は次の通りである。(1)の不純物の添加については、純度5N相当の高純度鉄が市販されて入手しやすくなったことから、高純度の鉄とシリコンを原料にして高純度のFeSi_2合金を作り、これを基本に不純物添加による電気特性への影響を基本に立ち戻って行った。その結果、これまでp形、n形両方の報告があるホウ素(B)について、溶液法で成長した結晶中では明確にドナー性不純物として働くことを明らかにした。更に、アクセプター性不純物のZnについてもその固溶度と活性化率を実験的に明らかにした。また、n形低抵抗結晶の成長にも取り組み、Coが高い固溶度で取り込まれること、添加量が5wt%程度と高くなると結晶の成長形態が変わってくることを明らかにした。(2)p形、n形共にキャリアを5-10x10^<19>cm^<-3>の高い濃度で得ることが出来るようになったため、こうした結晶を用いて室温-20Kまでの範囲での低温領域の熱電特性を評価した。その結果、p形結晶ではAlを添加することで200Kから100Kの間の熱電出力因子を約1割増加できることが判った。一方、n形結晶ではCo添加することで無添加のものと比べて室温から200Kの間の熱電出力因子が3倍程度改善できた。また、Bを添加した結晶では100K付近で数mV/Kもの高いゼーベック係数を示し、100K付近で10^<-5>W/cmK^2の高い出力因子を持つことが判った。
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Proceedings of Int. Conf. Thermoelectrics 200 (掲載決定)
応用物理 76
ページ: 790-793
Thin Solid Films (掲載決定)
J Mater Sci : Mater Electron (掲載決定)
http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.htm