研究課題/領域番号 |
18760229
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
梅田 享英 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 准教授 (10361354)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | シリコン / 微細MOSFET / DRAM / Variable Retention Time / 2値現象 / 双安定性 / フッ素 / 電子スピン共鳴 / 空孔-酸素複合欠陥 / 電流検出電子スピン共鳴 |
研究概要 |
前年度に提唱した,ダイナミックRAM(DRAM)での可逆2値現象Variable Retention Time (VRT)が単一シリコン空孔-酸素複合欠陥欠陥(V_2O_x欠陥)によって引き起こされているという因果関係をさらに調査するために、フッ素(F)を意図的に注入したDRAMセルトランジスタ(Tr)の電流検出電子スピン共鳴分光(EDMR)観察を行った。私達は前年度、エルピーダメモリ(株)とともに、F注入によってVRTの発生率が減少することを確かめている。評価試料(10000セルTr集合)は0.1μmプロセスで作製され、ソース/ドレイン形成後にF注入を行った(20keV、1×10^<13>/cm^2、900℃10秒アニール)。この条件では、TEMレベルではSi結晶に何ら変化は見られない。EKMR観察はセルTrのリーク電流(逆方向電流)と順方向電流に対して行った。リーク電流では以前として、空孔-酸素複合欠陥が観察された。つまり、濃度的には必要以上の量のFが導入されているのに、必ずしもFと欠陥は結びついていないことが分かった。では、余ったFはどこに行っているのか?順方向電流では、今度は、新しい欠陥の発生が確認された。この欠陥は逆方向電流では全く見えない。信号のg値は2.2-2.4(異方的)、線幅は約20mTあり、Siのネイティブ点欠陥とは大きく異なる。この信号は、以下の理由から空孔-フッ素複合欠陥、F_6V_2ではないかと考えている。(1)理論計算によれば高濃度F分布下ではF_6V_2が一番でき易い。(2)F_6V_2はギャップ準位をもたず、リーク電流には寄与しない。(3)しかし順方向電流下では、負荷電し易いF_6V_2は、正孔捕獲→ギャップ準位発生→電子再結合というプロセスで再結合電流に寄与する。(4)ブロードな線幅は^<19>F核スピンの影響。なお、F関連欠陥信号は報告例がなく、今回の検出が初めてである。
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