研究概要 |
平成19年度にはOFDM/MB-OFDM/MB-POFDMシステムにおいて,周波数非選択性I/Q不均衡,周波数選択性J/Q不均衡,キャリア周波数オフセット(CFO)が同時に存在する場合の補償方法の研究を行いました。CFOと二種類のI/Q不均衡の影響を受けたOFDMベースバンド受信信号の数式モデルを導き,行列表現で信号を分析しました。結果的に,受信OFDM信号は正反対の周波数オフセットをもつ2個の信号から構成されることがわかりました。 OFDMシステムでは,パイロットシンボル(PS)と情報を含んだデータシンボルとはサブキャリア配置(SCA)において互いに異なり,また,周期パイロットシンボルはまさに等間隔構造をもつSCAと考えることができる。この点に着目し,OFDM信号のSCAに基づいた補償法を提案しました。 提案手法は,CFOおよびI/Q不均衡の両方が存在する場合に適応可能なPSの設計基準を与えていることから,一般化したPS利用手法と捉えることができる。つもり,PSは非対称SCA構造をもつ必要がある。さらに,CFO推定とI/Q不均衡補正間の関係を利用し,提案手法を非対称SCA構造をもつOFDMシンボルに適応し得るブラインド補正手法に拡張できました。 MB-OFDM/MB-POFDMシステムには,プリアンブル内前半のPSに,ピコネットチャネル配分用TFCコードに対応するカバーシーケンスを乗じてPSを位相回転させることから,非対称SCAを有する。従って,提案法は,MB-OFDM/MB-POFDMにも適応できる。最後に,UWBチャネルモデルCM1-CM4を用いたMATLAB数値シミュレーションにより,提案手法の有効性を検証し,従来法より良い特性を得ることができました。
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