研究課題/領域番号 |
18760307
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
相沢 宏明 東洋大学, 工学部, 講師 (20385967)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 計測工学 / 光物性 / 結晶工学 / 水素 / 先端機能デバイス |
研究概要 |
本年度は蛍光を利用した水素ガス、水素イオン濃度(pH)、酸素濃度センサの研究を行う。さらに、昨年度の研究成果である蛍光温度センサと上記のセンサを組み合わせた複合型蛍光センサの開発及び測定システムの諸特性や有用性の評価を行い、以下の知見が得られた。 1)水素ガスセンサに適した水素吸蔵合金の探索を行い、水素ガス吸蔵合金薄膜の作製を試みた。水素吸蔵合金は、水素吸蔵により体積が膨張する。その体積膨張を検知できれば、水素ガスの検知が可能となる。本研究ではパラジウム薄膜の水素吸蔵による体積膨張を、金属表面からの反射光の変化として検知する方法を検討し、水素センサガス検知に成功した。 2)水素イオン濃度(pH)によって色が変化するpH指示薬が市販されている。本研究では、pH指示薬を添加したシリカゲル膜を作製し、この膜の可視光の吸収スペクトル変化から、pHを測定する手法を検討し、pHを測定できる簡易装置を構築した。その結果、フェノールレッドを添加したシリカゲルを用いて、pH2〜10の測定に成功した。 3)有機蛍光体は、酸素分子によって消光現象を起こすことが知られている。本研究では、有機蛍光体の消光現象を利用した蛍光酸素濃度センサの開発を検討した。テトラフェニルポルフィリン(TPP)を混ぜた酸素センサ膜を密閉容器にいれ、容器内の酸素分圧を任意に変化させた。その時の蛍光スペクトルの変化を発光測定用高分解能ファイバ分光システムで測定した。容器内の酸素濃度は溶存酸素計で校正した。作製したセンサ膜に紫外線を照射すると、波長650nmの赤色の蛍光が観察され、赤色の蛍光強度は酸素濃度の増加とともに減少した。この現象を利用することで、酸素分子の検知や酸素濃度測定に応用可能であることを見いだした。
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