研究課題
若手研究(B)
高度処理の早期の普及と持続的な運営には、技術の低コスト化が望まれる。そこで本研究では、下水二次処理水を対象として、曝気を必要としない硝化槽としてDHS(Down-flow Hanging Sponge)リアクター、独立栄養型の脱窒槽として硫黄脱窒リアクターを組み合わせた窒素除去システムを開発した。開発システムの下水三次処理への適用性を評価するために、模擬排水の連続処理実験を行った。供給する模擬排水の組成は、塩化アンモニウム30mgN/L、スクロース30mgCOD/L、その他無機塩類とした。処理温度は、運転0〜374日が20℃、運転375日以降が屋内で制御フリーとした。HRT(水理学的滞留時間)は、各装置で変化させた。運転0〜374日では、DHSのHRT2.3〜4.5h、硫黄脱窒のHRT4.5〜9hの条件で、硫黄脱窒流出の平均全窒素は15mg/以下となった。また、硫黄脱窒では処理水循環による硝酸性窒素の除去向上が認められた。運転375〜452日におけるDHS流出の日平均水温は19℃から11℃にまで徐々に低下した。DHSはHRTを1hで運転した。DHS流出水質は安定しており、アンモニア性窒素で平均1mgN/L、硝酸性窒素で平均27mgN/Lであった。硫黄脱窒流出は、硫黄脱窒のHRT6h(運転375〜452日)において、全窒素が15〜24mgN/Lであり、硝酸性窒素が10〜21mgN/Lであった。硫黄脱窒のHRTを9h(運転422〜452日)に延長したが、HRT6h時と同程度の水質であった。汚泥当たりの硫黄脱窒活性値が、運転時間(生物膜量の増加)とともに低下しており、適切な汚泥管理ではなかったと考えられる。開発システムは、多くの自治体の放流水質目標値を達成できる見込みができ、従来法の曝気と電子供与体管理を不要とする低コスト型高度処理として有望であることが分かった。
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平成18年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集
ページ: 517-518
第41回日本水環境学会年会講演集
ページ: 56-56
Proceeding of the 21st Century's COE the 7th Symposium on Global Renaissance by Green Energy Revolution, Nagaoka, Japan
ページ: 169-169