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損傷抑制機構をもつ鋼構造柱脚の開発と耐震性能評価

研究課題

研究課題/領域番号 18760419
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 建築構造・材料
研究機関独立行政法人防災科学技術研究所

研究代表者

長江 拓也  防災科学技術研究所, 兵庫耐震工学研究センター, 研究員 (90402932)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード鋼構造 / 柱脚 / 損傷抑制 / 摩擦抵抗
研究概要

現行の設計指針類での露出柱脚の終局せん断特性の評価では,露出柱脚ベースプレートと基礎モルタルの摩擦による最大耐力とアンカーボルトのせん断耐力のうち大きい方を柱脚せん断耐力としている。柱脚負担せん断力が最大摩擦耐力に達し,すべりが生じたのちも一定の摩擦抵抗力が保持されるならば,適切なモデル化を通して強度の加算も可能と考えられるが,実験的裏づけが不足しているため,現状の評価では一旦すべりが生じたのちの摩擦抵抗は考えていない。摩擦係数にして0.5を超えるせん断耐力が安定的に発揮されるとすれば,アンカーボルトのない柱脚,つまり基礎に緊結しない柱脚の可能性や,鋼とモルタルをダンパー材料として用いる損傷制御型柱脚の現実味がおびてくる。本研究はでは,露出柱脚と基礎モルタル間の摩擦実験システムを振動台上に構築し,鋼とモルタル間に動的な多数回繰返しすべりを生じさせることで,すべり進行時における動摩擦抵抗を検証した。得られた知見は以下に示すとおりである。
(1)静止摩擦係数:多数回の繰返しすべりに対して静止摩擦係数は常に安定していた。入力波の振幅と振動数に依存せず,静止摩擦係数はほぼ一定であり,実験値の平均値は0.78であった。
(2)動摩擦係数:本加振条件下における,すべり時の動摩擦係数は静止摩擦係数と等しく,すべり進行時における摩擦抵抗力は一定となった。つまり,水平外力は静止摩擦を経て,すべり出した後も同等の摩擦抵抗を発揮する。これは,露出柱脚のせん断耐力をアンカーボルトのせん断耐力と摩擦抵抗力の足し合わせによって評価することの可能性を示唆するものである。
(3)数値解析による摩擦挙動の再現:すべり時の動摩擦係数を一定と仮定した剛塑性モデルを用いる数値解析では,ほぼ実験で得られた摩擦係数において実験結果のすべり応答を再現でき,すべり応答を通して解析から与えられる動摩擦係数が鋼構造接合部設計指針等で用いられる摩擦係数0.5を上まわることを確認した。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 鋼構造露出柱脚と基礎モルタル間の摩擦性状に関する振動台実験2008

    • 著者名/発表者名
      池永昌容, 長江拓也, ジェイソン マコーミック, 勝尾美香, 中島正愛
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集 No.629

    • NAID

      110006794814

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 残留変形低減をめざしたセルフセンタリング柱脚の開発と載荷実験2007

    • 著者名/発表者名
      長江拓也, 池永昌容, 中島正愛, 吹田啓一郎
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集 No.612

      ページ: 223-230

    • NAID

      110006193190

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 鋼構造露出柱脚におけるベースプレートと基礎モルタル間の摩擦抵抗2006

    • 著者名/発表者名
      長江拓也, 池永昌容, 中島正愛, 吹田啓一郎
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集 No.606

      ページ: 217-224

    • NAID

      110004763729

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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