研究課題/領域番号 |
18760439
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
水野 雅之 東京理科大学, 総合研究機構, 講師 (40366448)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 火災 / 避難 / 被験者実験 / 煙 / 行動 / 経路選択 / 危険回避 / 建物火災 / 人間行動 / 放射熱 / シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、実大規模の通路模型(高さ2.7m、幅2m、長さ4mのユニットを4つ)を用いて、火災室のドア開口から煙を流出させ、ファンによって通路上部から煙を排出する被験者実験用模型空間を制作した。実験では、煙の視覚的影響のみを対象とした危険回避行動を調査するため、無臭煙を発生するスモークマシンを使用し、火災室内の集煙箱上部からヒートガンによる温風によって煙を生成し、通路に煙を伝播させた。被験者の行動は、複数の小型カメラによって観察し、通路内の状態は熱電対、減光式煙濃度計を用いて温度、煙濃度を測定した。通路の煙は、空間上部に層を形成し、被験者側に流れる様相を呈した。煙層の下端は、薄い煙の場合に概ね床面から1.8〜2.0mの高さ、濃い煙の場合に概ね1.6mの高さであった。 煙が流出する空間前を通って通路を避難する実験では、通路の空間上部に形成される煙が薄い場合にはほとんどの実験条件(火災室と避難出口の位置関係の条件)に対して被験者が火災室前を通って避難することができたが、濃い場合には2〜4割の被験者が通行できないことを判断し、さらにアンケートでは濃い場合に2〜4割の被験者が身の危険を感じる程の心理的影響があったことが確認された。実験条件として煙が濃い場合に若干煙層が低くなることも勘案すれば、通路上部の煙が濃く、煙層下端高さが低いことで煙が流出する開口部前を通って避難することを避ける傾向が確認できた。 煙が流出する空間に対して2つの出口(発光式誘導灯を目印)を設けた場合、被験者待機室に対して火災室のない側の出口を遠くに、火災室のある側の出口を近くに設けて実験を行ったところ、出口までの距離が長い火災室の無い側の出口を選択する傾向が確認できた。また、熱の影響が無くとも煙の流出する開口部が2mの位置にあると経路選択に影響を及ぼすことが確認できた。
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