研究課題/領域番号 |
18760492
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
本間 啓史 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (90401801)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 水素透過膜 / 酸素 / 格子膨張 / バナジウム |
研究概要 |
4族および5族金属は比較的安価かつ資源が豊富で、水素の溶解度や拡散係数の大きく、水素透過材料への応用が期待される。透過膜は使用時の差圧に耐えうる強度や水素吸収に伴う変形を抑制する形状安定性が必要である。水素吸収に伴う透過膜の変形は、水素原子の格子間への侵入に伴う格子の膨張や使用環境下での熱膨張に起因する。そこで侵入型元素を固溶させることにより、水素吸収に伴う変形を抑制できるか否かを検討した。水素原子1個による格子定数変化よりも侵入型原子1個による格子定数変化が大きい方が有効だと考えられる。また、侵入型元素の500℃付近および室温における固溶限や元素1原子あたりの格子定数変化の割合を考慮し、Ta-O系に着目した。分圧真空計を取り付けた超高真空排気系、高純度ガス導入系および試料加熱部からなる装置を用い、酸素を試料中に固溶させた。この際の酸素の固溶量はガス圧力にて調整した。その後、同じ装置内に高純度の水素ガスを導入し、試料中に水素を吸収させた。Ta-0 においては酸素を3%吸収させたものと酸素を吸収させていないものとで水素吸収前後での機械的性質を比較した。この際、メンブレンリアクターの作動温度付近の500℃で700torrの水素に接触させ、両者ともに吸収した水素量はTaH_<0.7>と同程度であり、機械的性質にについても両者ともに延性が失われていた。X線回折測定の結果、両者ともに水素化物が形成しており、酸素の有無による水素吸収前後での機械的性質の違いは明確ではなかった。また、5族と4族の違いについて考慮すると、機械的性質や水素化物析出、体積膨張に対する効果は4族の方が大きいと考える。4族は酸素の拡散係数が小さく、実験室レベルで酸素を含む試料を作るには、気体吸収法以外の方法を検討する必要がある。
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