研究課題/領域番号 |
18760509
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
菅 章紀 名城大学, 理工学部, 助教 (70387760)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | マイクロ波誘電体 / 低損失材料 / 共振周波数の温度係数 / 材料設計 / 結晶構造解析 / セラミックス / 情報通信 |
研究概要 |
本研究では、これらのマイクロ波誘電体セラミックスにおけるτfの発現メカニズムを明らかにするために、結晶構造解析から原子レベルからのアプローチを行い、組成制御による高Qマイクロ波誘電体の材料設計の確立を目的とし、研究を行った。 コランダム系材料では、Mg_4Nb_2O_9、 Co_4Nb_2O_9およびMg_4Ta_2O_9を合成し、マイクロ波誘電特性を評価した。MgサイトをCo置換することにより、ε_rは増加するのに対し、Q・f値は大幅に減少し、約5000GHzを示した。一方、NbをTaで置換したMg_4Ta_2O_9ではQ・f値は約350000GHzを示した。さらに、Mg_4Ta_2O_9のτ_fはMg_4Nb_2O_9とほぼ同じ-70ppm/℃であるのに対し、Co_4Nb_2O_9のτ_fは、-10ppm/℃を示し、MgのCo置換によりτ_fはゼロに近づくことが明らかとなった。一般にτ_fは、熱膨張係数と誘電率の温度係数(τ_ε)に関係し、特にτ_εの寄与が大きいことが知られている。そこで本研究では、LCRメータを用いて1MHzにおける誘電率を30〜400℃まで評価し、誘電率の温度依存性の評価を行った。Co_4Nb_2O_9の誘電率は、温度変化に対してほぼ一定の値を示し、30℃と400℃における誘電率から求めたτ_εは、約30ppm/℃であることが明らかとなった。また、Mg_4Nb_2O_9およびMg_4Ta_2O_9のτ_εは共に約180ppm/℃と大きく、この系において、τ_ε対して組成が大きく依存することが明らかとなった。
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