研究概要 |
1.層状ケイ酸塩からゼオライトへの構造変化を明らかにするために,透過型デバイシェラー粉末X線回折装置専用の高温チャンバーを作成した.このシステムにより室温-1000℃までの温度領域において,数分単位の時間分割高温測定が可能となった.様々な層状ケイ酸塩について検討した結果,層間に内包されるOSDA(有機構造規定剤)の燃焼と共に脱水重縮合がほぼ同時に起きていることが明らかとなった.しかしOSDAの燃焼が不十分な場合,脱水重縮合も不完全な状態となりゼオライトへの構造変化が止まってしまうことも分かった.OSDAとしてアミン分子ではなく酢酸分子を層問にインターカレートさせたAc-RUB-18では,ゼオライトRWRへの構造変化が200℃から800℃まで連続的に起きていることを見いだした.2.高温酸処理によって,層状ケイ酸塩の層問をSiO_2(OH)_2の四面体部位で架橋することで構築される,高い結晶性を有した層状ゼオライトAPZシリーズの創出に成功した.3.先の高温XRDシステムを用い,新規な3次元大口径マイクロポーラスYNU-2Pについて構造変化を調べたところ,シリル化したYNU-2Pでは耐熱性が600℃程度のゼオライトYNU-2に変化することを明らかにすることが出来た.このYNU-2P及びYNU-2の詳細な結晶構造について報告し,Angewandte Chem.Int.Ed.に掲載された。
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