研究課題/領域番号 |
18760519
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2007) 岩手大学 (2006) |
研究代表者 |
野村 直之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (90332519)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Niフリー / 生体用Co-Cr-Mo合金 / 窒素 / 冷間圧延 / 生体材料 / 窒素添加 / コバルトクロムモリブデン合金 |
研究概要 |
Ni含有しないCo-Cr-Mo合金の室温での引張り伸びは10%以下と低く、加工性に乏しいことが問題となっている。この問題を解決するため、Niに代わるFCC安定化元素を添加した、加工性のある生体用Co-Cr-Mo合金の開発について研究を行った。その結果、CoCrMo合金に対して、Cr2Nを添加してアーク溶解を行い、CoCrMoN合金を溶製したところ、Nを0-0.25mass%含有するCo-Cr-Mo合金を作製することが可能であった。これらの窒素添加合金から薄板を切り出し、冷間圧延に供したところ、圧下率40%程度の圧延が可能であった。これ以上の圧延を施すと圧延面上に圧延方向に対して垂直なひび割れが発生した。冷間加工後のそれぞれの試料に対してX線回折を行ったところ、全ての試料においてほぼε相単相となっていた。このことは、窒素添加材においても変形モードはひずみ誘起マルテンサイト変態(TRIP)に保たれていることを示唆している。冷間圧延材に対して、700℃、800℃、900℃、保持時間1時間の条件にて窒素添加Co-29Cr-6Mo合金の熱処理を行ったところ、700℃では加工組織が残存しているが、800℃以上で等軸な結晶粒が確認された。しかしその結晶粒径はミクロンオーダーであった。目標のナノサイズまで粒径を微細化するためには昇温速度の増加と熱処理保持時間の短縮が必要であろう。硬さ試験により時効処理した圧延材の硬さを調査した結果、最も優れた時効材において560Hv程度の値となった。CoCrMo合金鍛造材の硬さは420Hv程度であることから、無添加材に比較して高い硬さを示した。この硬さの値から降伏強度も上昇することが推測される。
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