研究課題/領域番号 |
18760523
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉野 正人 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10397466)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 発光材料 / 酸化物 / 電子状態 / 光通信 / セラミックス / 希土類 / 焼結 / 増幅器 / 近赤外 |
研究概要 |
本課題では、Erを含む酸化物を焼結合成により作製し、1550nm帯のフォトルミネッセンスを測定し評価を行った。特に、光増幅器の開発が遅れているUバンド域と呼ばれる波長帯の発光のスペクトル形状に注目した。また、第一原理計算により、構造に基づいて多重項エネルギー準位を計算し、その傾向を調べた。 Erが酸素8配位と6配位をとる試料を作製した。Erとのイオン半径の違いが小さく、価数が同じYを含む酸化物を主に選択することにより、添加したErが目的の配位数を持った試料を作製できるようにした。8配位にはガーネット構造、パイロクロア構造、蛍石構造、シーライト構造、6配位にはC-希土構造、スピネル構造の酸化物を選択した。 各試料のPLスペクトルをErに配位する酸素の数により整理した。Erの配位数によりスペクトルの形状におおよその特徴があらわれ、酸素8配位の試料は発光が4つの領域にわかれ、酸素6配位の試料は1500nm付近の発光が最も強くなるという特徴を示した。しかし、Uバンドの発光との明らかな相関はみられなかった。結晶場と多重項の分裂について、Er-O間の距離という点から整理した。同じ結晶構造・空間群を持つ試料は、スペクトル形状は類似したものとなったが、格子定数の小さな試料ほど長波長側の発光はより長波長側に、短波長側の発光はより短波長側にシフトした。Er-Oの距離の違いで結晶場が変化することで、準位の分裂の大きさが変わったためであると考えられ、Er-O間距離を調整することでUバンド付近の発光波長を移動できることがわかった。また、Erに配位している酸素の角度についても整理した。さらに第3元素の添加、ホストの固溶体を作ることでUバンド域のスペクトルのブロード化にも成功した。また、多重項の計算より、配位数の違いによるエネルギー分裂の幅に傾向がみられる結果が得られた。
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