研究課題/領域番号 |
18760530
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
板垣 吉晃 愛媛大学, 理工学研究科, 助教 (30325146)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 分子ナノフィラー / 複合電解質膜 / 高温作動 / ナフィオン / POSS / 高分子型燃料電池 / 直接型メタノール燃料電池 / メタノールクロスオーバー |
研究概要 |
本研究は、高分子電解質であるナフィオンと無機分子フィラーの複合化により、100℃以上の高温で高い伝導度を有する電解質膜の開発を目指している。また、これにより高温で作動可能な燃科電池の開発し、メタノールクロスオーバーや白金の一酸化炭素被毒の低減を目指すものである。 平成19年度は、前年に続きナフィオン-POSS複合体を調製し、それぞれの膜のキャラクタリゼーション並びに電池特性評価を行った。分子側鎖にアミノ基を有するPOSS(OA-POSS)を用いることで、ナフィオン中のスルホン基とPOSSのアミノ基の間にイオン対を形成、架橋させた。同POSSを3wt%含む電解質では、90℃以上で伝導度の緩やかな増加が確認された。しかし、前年度に行ったOTMA-POSS複合系よりも高い伝導度を得ることはできなかった。水溶性POSSを用いた系では、OTMA-POSSが分子フィラーとして最も効果的であることが分かった。また、ナフィオンにNH_4Clを添加し、同様のイオン対を形成させた場合、伝導度の増大が見られなかったことから、複合膜の高温伝導性にはPOSSの酸化ケイ素ケージが有効に作用していることが明らかになった。OTMA-POSS複合膜についてで温度可変FT-IR測定を行ったところ、物理および化学吸着水はいずれも温度上昇に伴って減少していることが分かった。したがって、複合膜の高温伝導性は高温保水性よりむしろナフィオンのイオンドメインの構造安定性の向上に起因していると考えられる。さらに、電池特性測定の結果、OTMA-POSS添加膜を用いたMEAにおいて100℃以上でも出力の向上が見られ、伝導度測定の結果を支持するものとなった。
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