研究課題/領域番号 |
18760534
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
赤松 謙祐 甲南大学, 理工学部, 准教授 (60322202)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 半導体ナノ粒子 / 複合薄膜 / 発光デバイス / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 固定化 / 薄膜 / パターニング |
研究概要 |
本年度は、CdTeナノ粒子およびそれらをガラス基板上に固定化した薄膜の微細構造制御と表面修飾による発光特性制御を中心に検討を行った。湿式法によりCdTeナノ粒子を合成し、アルカンチオールおよびジチオール分子を用いて表面の配位子交換反応を行い、表面欠陥修飾を施した。 その結果、チオール分子および界面活性剤分子の濃度に依存して発光強度が変化することが明らかとなり、反応速度を制御することによって発光波長および量子収率を精密に制御することに成功した。また分子濃度と反応速度(発光強度の変化速度)との関係を明らかにし、高効率発光性ナノ粒子を得るための最適な実験条件を見出すことができた。 上述の成果および初年度にて得られたデータを基に、ナノ粒子固定化密度を制御した薄膜を作製し、チオール修飾率と発光特性との相関のデータベース化を行った。特にサイズの異なる半導体ナノ粒子を積層させた多層膜の場合には、ナノ粒子間の蛍光共鳴エネルギー移動による発光の単色化が見出され、単層膜に比較して約2倍程度の発光強度を得ることに成功した。 以上の結果より、ナノ粒子をユニットとする複合薄膜の固定化・積層化手法を確立するとともに、表面分子修飾による発光強度の制御に関する興味深い知見を得ることができた。本成果は新しい発光デバイスの構築手法に成り得るとともに、高効率発光素子の精密な設計指針を与えるものである。以上の成果は学会において成果発表するとともに、成果の一部についてはChem. Commun,誌およびPhys. Chem. Chem. Phys. (PCCP)誌に論文発表を行った。
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