研究課題/領域番号 |
18760558
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 太一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80374966)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 発泡金属 / 増粘材 / 還元反応 / 酸化鉄 / 組織制御 / 圧縮特性 / 金属生産工学 |
研究概要 |
安価で大量生産が可能で、かつ高強度な発泡体として鉄鋼材料に着目し、鉄、黒鉛及び酸化鉄粉末を用い高発泡率体を製造する方法を確立するために、以下の諸点を明らかにした。 (1)原料粉末の最適化:平均粒径坦1μmのFe_2O_3を0.5mass%添加した時に最大気孔率(60%)を持つ発泡鉄の製造が可能であった。さらに、Al_2O_3、Cr_2O_3、SiO_2、およびWO_3粉末を2.0 vol%添加したところ、A1_2O_3およびSiO_2添加試料は気孔率が増加し球状の気泡を得ることができ、Cr_2O_3およびWO_3添加試料は気孔率が減少し、平均気泡径が減少した。 (2)機械的特性の調査:各発泡体を円柱状に切り出し、1mm/minでの静的圧縮特性を調査した。発泡まま試料は共晶セメンタイトがリング状に現れる硬くて脆いレーデブライト組織を持つため、その変形は脆性的で応力一定のプラトー領域は確認されない。一方、950℃で1時間の焼鈍処理により約100MPaのプラトー応力が得られた。さらに0.5vol%Cr_2O_3を添加した発泡体の応力は60MPaまで低下した。 (3)発泡鋳鉄の製造:鉄、SiC、黒鉛及びヘマタイト粉末を混合した発泡体の製造の可能性を検討したところ、溶湯中のSi濃度増加による著しい粘性低下により、ガスの離脱が促進されたため、気孔率が非常に低くなった。 型内発泡体の作製とその特性調査:直径14mmの試料を同径の鉄パイプに装入し、パイプ内発泡を実施したところ、パイプ壁面の存在による膨張の制限により、自由発泡実施時よりも気孔率は低下した。 (5)研究の総括:本法では、数mmの気泡を持つ気孔率60%程度の発泡鉄の製造が可能であった。また、Cr_2O_3添加による気泡径の減少と均一化および組織変化は、材料特性を制御した発泡体製造の可能性を示すものである。
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