研究課題/領域番号 |
18760590
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
富崎 欣也 東工大, 生命理工学研究科 (90397026)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ペプチド / キナーゼ / 基質 / フォトクロミズム / スピロピラン / リン酸化 / ポリリシン / ポリアスパラギン酸 |
研究概要 |
タンパク質の多様化要因の一つ、リン酸化を触媒するキナーゼは種類も多く、細胞内シグナル伝達に関与する重要な酵素であるにもかかわらず、反応溶液中に過剰に存在するATPトリリン酸基による妨害のため、酵素活性を迅速・簡便に評価するキナーゼ基質の設計は比較的困難であった。そこで、本研究では、キナーゼが触媒するリン酸化反応を迅速・簡便に評価できる蛍光性キナーゼ基質の設計合成と細胞応答評価を目的とした。平成18年度は蛍光シグナル発生用プローブの選択とキナーゼ活性評価法開発を行った。様々な蛍光色素を検討した結果、フォトクロミック化合物であるスピロピランと基質ペプチドとのコンジュゲート利用がキナーゼ基質設計を最も容易にすることがわかった。これは、基質ペプチドがリン酸化(アニオン付加)を受けると、アニオン性ポリマーとの結合が静電反発で弱められるため強い蛍光、一方、カチオン性ポリマーとの親和性が静電的相互作用により向上するため弱い蛍光を示す原理に基づく。従って、それら蛍光強度の比をとることで、リン酸化状態のシグナル強度は非リン酸化状態のシグナル強度と比べ顕著に大きくなることが予想できる。そこで、代表的な4種キナーゼに対応するスピロピラン含有基質ペプチドを設計合成し、スピロピランのフォトクロミズム、ポリアスパラギン酸およびポリリシンを利用するリン酸化反応検出を試みた。4種の酵素濃度の上昇に伴い、シグナル強度が増大、飽和に達し、リン酸化状態における最大シグナル強度は非リン酸化状態と比較し約2倍であった。また、96穴プレート上にて目視によるキナーゼ阻害活性を評価したところ、阻害剤濃度依存的に着色量が変化し、本キナーゼ活性検出法は蛍光および目視両方によるシグナル検出が可能であった。平成19年度は、本結果を受けて細胞中のキナーゼ活性評価へと適用範囲を拡大する予定である。
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