研究課題/領域番号 |
18760605
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡部 洋二 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90313006)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | サンドイッチパネル / ハニカムコア / 炭素繊維強化プラスチック / 衝撃損傷 / 光ファイバセンサ / 形状記憶合金 / 知的構造材料 / ヘルスモニタリング |
研究概要 |
航空宇宙分野で広く使用されている、表皮が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でコアが金属ハニカムのサンドイッチ構造に対して、自己損傷検知と自己損傷修復の機能を付与することを研究目的とする。 まず損傷の検知に関しては、昨年度まではFBGセンサを用いてきたが、本年度では新たな光ファイバセンサ技術として、Pulsed Pre-pump Brillouin Optical Time Domain Analysis (PPP-BOTDA)と呼ばれる手法を導入した。これにより、サンドイッチパネルの接着層内に格子状に張り巡らした光ファイバに対して、空間分解能10cmでのひずみ分布を計測可能となるとともに、その各10cmの領域内に、衝撃損傷に伴う不均一ひずみが発生したかどうかをブリルアンスペクトルの幅の広がりから検出可能となる。そこで、昨年度に構築した、サンドイッチパネルの衝撃荷重による変形挙動を再現できる簡便な理論式を用い、衝撃損傷による表皮のくぼみに沿った不均一ひずみ場を計算して、PPP-BOTDAの応答をシミュレーションした。その結果、ブリルアンスペクトルの変化を用いることで、目視発見が困難な大きさの衝撃損傷でさえも検知できることがわかった。そこで実際のサンドイッチパネル内に5cm間隔で光ファイバセンサ網を形成し、実証実験を行ったところ、その衝撃損傷検知手法の高い有効性が示された。 次に損傷修復に関しては、昨年度、SMAハニカムコアを加熱することで、衝撃損傷を修復できるとともに、力学的特性も十分に回復することが確認できている。そこで本年度は、その基礎実験としてSMAハニカム単体に一様な面外圧縮荷重を与え、その変形と回復挙動を厳密に調べた。その結果、コア壁面の座屈は加熱によってほぼ修復でき、面外強度は約半分まで低下するが、面外剛性はほぼ元の値に回復できることがわかった。さらに、このコアの変形挙動は、有限要素解析によっても確認することができた。
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