研究課題/領域番号 |
18760611
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横関 智弘 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50399549)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 航空宇宙構造 / 複合材料 / 水素燃料 / 極低温燃料タンク |
研究概要 |
航空機の環境適合性向上技術の1つとして水素燃料使用が挙げられるが、航空機への搭載体積及び重量の観点から液体水素貯蔵タンクの軽量化、特に極低温複合材タンクの実現が技術課題である。本研究では構造破壊の主要原因となる熱膨張ミスマッチの低減を目的として、チラノ繊維と高靭性エポキシを使用した複合材料(SiC-FRP)のタンク構造への適用性評価を実施した。特にSiC-FRPの極低温環境下での力学特性及び破壊力学的特性などの耐損傷性について評価を行い、既存材料との比較検討を実施した。 力学特性は炭素繊維に匹敵し、熱膨張係数は比較的樹脂に近いチラノ繊維と、極低温での靱性に優れる高靱性エポキシを選定し、製作した複合材料の一方向材及び面内擬似等方性積層材について弾性率、強度、層間破壊靱性、熱膨張係数などの力学特性を常温、液体窒素温度(-196℃)、液体ヘリウム温度(-269℃)において取得した。極低温特性に優れるとされる炭素繊維エポキシ複合材料と比較して、弾性率・強度は及ばないものの、破壊靱性は同等以上であった。さらに、繊維方向と繊維垂直方向の熱膨張係数差は低減しており、接着材やライナ材料との熱膨張ミスマッチが解消されていることを確認した。 代表的な極低温複合材タンクとしてアルミライナ複合材タンクを取り上げ、内圧と温度変化を受けるタンク構造を想定した、SiC-FRPとアルミ合金(A6061-T6)の接着構造に関する接着破壊靱性値評価を実施し、ライナ複合材タンクの致命的な破壊モードであるライナ/複合材間の剥離進展に関する破壊力学的データを常温及び極低温において取得した。チラノ繊維複合材を使用した場合に、炭素繊維複合材に比べ、破壊靱性値は同等以上であることを確認し、極低温タンク構造への適用性が示された。また、派生研究として極低温環境下での接着破壊靱性値評価の熱ひずみ修正手法を確立することができた。
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