研究課題/領域番号 |
18760644
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
菱沼 良光 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助教 (00322529)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 核融合 / MgB_2 / パウダーインチューブ / Cu添加 / 低誘導放射化 / コイル化 / 高温特性 / 電力応用 / MgB2 / 超伝導特性 |
研究概要 |
昨年度の研究成果として、Mg_2Cu化合物を用いたCu添加MgB_2/Ta超伝導線材において従来よりも格段に低い温度での合成に成功し、ナノスケールのMgB_2相が生成した。結果、8Tで100A/mm^2以上の臨界電流密度を実現し、中低磁場領域における大幅な特性改善を達成した。また、Taシースとの界面反応が見られず、多芯線材としてのバリア材の見通しを得た。低誘導放射化特性に有利なMgB_2とTaによる線材化が可能である事が示唆された。19年度はこれらの結果を元に、工業的な長尺化及びコイル化を検討した。12mmφのMgB_2/Ta/Cu複合体から、途中断線無く最終線径1.2mmの線材化に成功し、工業的な生産が可能であることが示唆された。この長尺線を用いて小型コイルを作製した。4.2K中でのコイル通電試験の結果、短尺試料と比較して約90%のコイル電流が可能で、長尺線長手方向の特性が均一である事が示された。以上の結果から、本研究で開発されたMg_2Cu相によるCu添加MgB_2超伝導線材は、中低磁場領域で大きな優位性を持ち、工業的に生産可能な段階であることが分かった。 昨今、地球温暖化対策に向けたエコロジーが叫ばれており、温暖化ガスを発生しないエネルギー開発が盛んになっている。石油・石炭に変わる代替源として液体水素が注目されている。液体水素は20Kの沸点温度であるが、MgB_2超伝導線材はすでにその温度では超伝導状態であることから、液体水素とMgB_2超伝導線材のハイブリッドエネルギー供給が可能である。従って、本線材の20K下での超伝導特性の把握は今後の応用に重要であるので、4.2K以上の温度領域下での超伝導特性を調査した。測定温度の上昇に伴って臨界電流値は低下したが、20K及び1Tの外部磁場の条件下で100A以上の臨界電流値が得られた。水素化社会に対応した電力送電ケーブルの線材として十分な特性を有している事が示された。
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